Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
死霊は仏の御名を忌むものじゃから、こうしておいたら庭へははいってきても、まさか家のなかまでは、はいってもこぬじゃろう」
と、しんせつな和尚さんは、のこるくまなく指図をしてくださいました。そしてつけくわえておっしゃるのには、
「そのばあいくれぐれも注意して、かならず一間でもわすれぬように貼るのじゃよ。ここはよかろう、あそこはよかろうなどと一間でも貼りわすれたら、そこからたいへんなことがおこらぬともかぎらぬからの。よろしいかな? よくおわかりになったじゃろうな? では、さ、こうしているあいだも気がせく、あの屋敷はみんなで幾間あるかな? なに? 十六間? その十六間のうちにはふだんつかわぬ部屋も、はいっとるのじゃろうな? 一間でも、わすれたら危険じゃよ!」
和尚さんから、くれぐれも念をおされて、博士は、十六間にまちがいありませんと、答えられましたが、いまにして思えば、博士はなぜそのとき、もっと、和尚さんが念をおされたことにようく注意して、もっと慎重に指をくって、屋敷の間数をかんじょうしてみられなかったのだろうか? と、まことにそれが、残念に思われてなりません。