Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
だいいち、こんな護符なんぞ、博士自身がバカバカしいと思っていられることなのです。
ただしんせつな和尚さんが、せっかく書いてくれたことですから、バカバカしいとは思いながらも、老人の好意を無にしないために、貼ってあるいているだけのことですから、頼子にはなんにも話さずに、ただじぶんだけの内証で、そうっと貼ってあるいていられたのです。
おもて玄関のわきの、小金吾の殺された座敷からはじめて、間ごと間ごとの敷居と鴨居へ一枚ずつ……ひろい中廊下をはさんでそのへんのふだんしめきってつかわない、むかしの部屋のいり口へも二枚ずつ、上下に貼ってあるかれました。
が、やがて台所までぜんぶ貼ってこられたときに、あ、これはいかん! 数をまちがえてしまったな! とはじめて気づかれたのは、和尚さんにきかれたとき博士は、ぜんぶで間数を十六間といわれましたが、貼りおわって気がついたのは、なんとぜんぶでは十七間だったのです。
ですから一間分だけなくなってしまいましたが、もともと博士は、和尚さんのいわれたことをほんとうに心から信じていられたわけではないのです。ですからべつだん、護符がたりなくなったからとて、それを苦にもやまれませんでした。