Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
六
どころのないような気持がして、私はまじまじと電灯を凝視ながら考え込んでいたのであった。
その私の様子を幾らか気が落ちついてきたとでも思っていたのであろうか。気の毒な兄は腕組みをしながら、そして嫂はその脇に引き添うて薄気味悪げに佇みながら、私を見守っているのであった。
六
その夜であった。
莫迦莫迦しい騒ぎもひとまず納まって、改めて私のために二階の客間に床が延べられて、ともかくも明日まで様子をみようというような顔をして見当外れな慰めの言葉を掛けながら、兄や嫂が階下へ引揚げて行ってしまった後であった。私はじっと厚い蒲団の中へ身を沈めて、薄暗い天井を眺めながら、まじまじと考えていたが、もうこれでは眠ろうとしても眠れるものではなかった。
身体はくたくたに疲れて恐怖、憤り、諦めの後の気持はぐったりと緩んで、とろとろと睡けを催してくるようであったが、それでいて頭の芯のどこかが妙に冴え切ってとろとろとしては、またパッと醒め少しとろとろとするとまた眼が醒め、あたりは寂として物音一つ聞えてはこず、ただ遠くから犬の遠吠えが枕に付いてきて、もはや夜もだいぶ更け渡っているらしいのであった。