Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
母は一昨々年の四月頃から持病の腎臓病が悪化して、昨年の十月到頭、萎縮腎で亡なったということ。亡なるまで口癖のようにお前のことをいっていられたから、こうしてお前が帰って来てくれれば、どんなに喜んでいられるかということなぞ。
そして、本来ならば墓は、村の慈恩寺の先祖代々の墓所に、埋葬するのが当り前なのだが、ふとした縁で一、二年前から、隣り村のそのまた隣り村、北野村の宗源寺の和尚さんが、母と懇意になって病床でたびたび、和尚さんの法話を聞いて眼を閉じたら、ぜひ宗源寺へ葬って欲しいというたっての望みであったから、そこへ埋めたということ。
これも本来なればこの機会にお墓詣りをしてもらいたいのだが、忙しいだろうからいったん東京へ帰って、折りを見てまたゆっくり、お墓詣りに戻って来て欲しいということなぞ。
私も、母の墓詣りをしたいと思いました。朧ろ気ながら覚えているのは、少年の頃母の埋まっているその宗源寺へ、私も遊びに行ったことがあって、その寺というのを知っているのです。二つばかり離れた村とはいいながら、ここからたっぷり五里くらいは、あるでしょう。
おまけに峠を三つも四つも越えて、山坂道の界隈殆ど人家も人の姿もない、物淋しいところで子供の頃遊びにいった時も、なんだか物の怪にでも襲われたような気持で、逃げ帰って来たことを覚え