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Japanische Klassiker mit Furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

それを思えば今更ながら、兄の前に手を突いて留守中の感謝を述べたいような気がして来ました。

「お前も亮三郎も、日本におらんけえ、送ってやることもできんかったのだ。こうして実は、阿母さまの形身分けも、取ってある……」

と兄は嫂にいい付けて、箪笥の抽斗を、あけて見せました。小紋とか大島とか母の生前の羽織や着物の何枚かが、そこに畳んであるのです。

「世帯でも持ったら、引き取ってくれや。なア、おかの! 仕立直したら新次郎にも、着れるようになるんじゃなえのかなア? ……それとも、田舎の柄だから、コレには向かんか?」

と嫂を顧みて、笑い出しました。母の話も一通り終ると、話は自然、貴方との結婚のことに移りました。一日も早く身を固めよ! と、兄はいうのです。

そして、

「ともかく、阿母さまもそう仰言ってだけえ、結婚式は、どねえにでも派手にしろ! その分だけは、阿母さまも用意していられたけえ、お前の肩身の狭くなえように心置きなくやれ、せえから序でだでいうておくがな、阿母さまもお亡なりになったけえ、この際家の財産も、みんなで分けて置くがええと思うから、兄弟三人で三つに分けることにしたで、この書類に判を押しとけや。