Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
今日が期限だから、是が非でも取って行くって、いくら言訳をいっても、坐り込んで動かないんだもの。しまいにこっちも腹が立ったから、御気の毒さま、御金はありませんが、品物で好ければ、御鍋でも御釜でも持ってって下さいっていったらね、じゃ釜を持ってくっていうんだよ。あきれるじゃないか」
「釜を持って行くったって、重くってとても持てやしないでしょう」
「ところがあの業突張の事だから、どんな事をして持ってかないとも限らないのさ。そらその日の御飯をあたしに炊かせまいと思って、そういう意地の悪い事をする人なんだからね。どうせ先へ寄って好い事あないはずだあね」
健三の耳にはこの話がただの滑稽としては聞こえなかった。その人と姉との間に起ったこんな交渉のなかに引絡まっている古い自分の影法師は、彼に取って可笑しいというよりもむしろ悲しいものであった。
「私ゃ島田に二度会ったんですよ、姉さん。これから先また何時会うか分らないんだ」
「いいから知らん顔をして御出でよ。何度会ったって構わないじゃないか」
「しかしわざわざ彼所いらを通って、私の宅でも探しているんだか、また用があって通りがかりに偶然出ッくわしたんだか、それが分らないんでね」