Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
彼が新宅を構えて間もない頃、彼は細君の父がある鉱山事業に手を出したという話を聞いて驚ろいた事があった。
「山を掘るんだって?」
「ええ、何でも新らしく会社を拵えるんだそうです」
彼は眉を顰めた。同時に彼は父の怪力に幾分かの信用を置いていた。
「旨く行くのかね」
「どうですか」
健三と細君との間にこんな簡単な会話が取り換わされた後、彼はその用事を帯びて北国のある都会へ向けて出発したという父の報知を細君から受け取った。すると一週間ばかりして彼女の母が突然健三の所へ遣って来た。父が旅先で急に病気に罹ったので、これから自分も行かなければならないと思うが、それについて旅費の都合は出来まいかというのが母の用向であった。
「ええええ旅費位どうでもして上ますから、すぐ行って御上なさい」
宿屋に寐ている苦しい人と、汽車で立って行く寒い人とを心から気の毒に思った健三は、自分のまだ見た事もない遠くの空の佗びしさまで想像の眼に浮べた。
「何しろ電報が来ただけで、詳しい事はまるで分りませんのですから」
「じゃなお御心配でしょう。なるべく早く御立ちになる方が好いでしょう」
幸いにして父の病気は軽かった。