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Japanische Klassiker mit Furigana

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みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

、全く嬉しいに違なかった。

よほど後になって始めてこの話を細君から聴いた健三は、彼女の父に対して新たな同情を感じただけで、不徳義漢として彼を悪む気は更に起らなかった。そういう男の娘と夫婦になっているのが恥ずかしいなどとは更に思わなかった。しかし細君に対しての健三は、この点に関して殆んど無言であった。細君は時々彼に向っていった。――

「妾、どんな夫でも構いませんわ、ただ自分に好くしてくれさえすれば」

「泥棒でも構わないのかい」

「ええええ、泥棒だろうが、詐欺師だろうが何でも好いわ。ただ女房を大事にしてくれれば、それで沢山なのよ。いくら偉い男だって、立派な人間だって、宅で不親切じゃ妾にゃ何にもならないんですもの」

実際細君はこの言葉通りの女であった。健三もその意見には賛成であった。けれども彼の推察は月の暈のように細君の言外まで滲み出した。学問ばかりに屈託している自分を、彼女がこういう言葉でよそながら非難するのだという臭がどこやらでした。しかしそれよりも遥かに強く、夫の心を知らない彼女がこんな態度で暗に自分の父を弁護するのではないかという感じが健三の胸を打った。