Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
しまいにどうなっても構わないという投げ遣りの気分が、単に消極的な彼女をなおの事消極的に練り堅めて行った。
かくして夫婦の態度は悪い所で一致した。相互の不調和を永続するためにと評されても仕方のないこの一致は、根強い彼らの性格から割り出されていた。偶然というよりもむしろ必然の結果であった。互に顔を見合せた彼らは、相手の人相で自分の運命を判断した。
細君の父が健三の手で調達された金を受取って帰ってから、それを特別の問題ともしなかった夫婦は、かえって余事を話し合った。
「産婆は何時頃生れるというのかい」
「何時って判然いいもしませんが、もう直ですわ」
「用意は出来てるのかい」
「ええ奥の戸棚の中に入っています」
健三には何が這入っているのか分らなかった。細君は苦しそうに大きな溜息を吐いた。
「何しろこう重苦しくっちゃ堪らない。早く生れてくれなくっちゃ」
「今度は死ぬかも知れないっていってたじゃないか」
「ええ、死んでも何でも構わないから、早く生んじまいたいわ」
「どうも御気の毒さまだな」
「好いわ、死ねば貴夫のせいだから」
健三は遠い田舎で細君が長女を生んだ時の光景を憶い出した。