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Japanische Klassiker mit Furigana

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みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

自分の触れるものが取も直さず自分のような気がした。彼女は温かい心を赤ん坊の上に吐き掛けるために、唇を着けて所嫌わず接吻した。

「貴夫が私のものでなくっても、この子は私の物よ」

彼女の態度からこうした精神が明らかに読まれた。

その赤ん坊はまだ眼鼻立さえ判明していなかった。頭には何時まで待っても殆んど毛らしい毛が生えて来なかった。公平な眼から見ると、どうしても一個の怪物であった。

「変な子が出来たものだなあ」

健三は正直な所をいった。

「どこの子だって生れたては皆なこの通りです」

「まさかそうでもなかろう。もう少しは整ったのも生れるはずだ」

「今に御覧なさい」

細君はさも自信のあるような事をいった。健三には何という見当も付かなかった。けれども彼は細君がこの赤ん坊のために夜中何度となく眼を覚ますのを知っていた。大事な睡眠を犠牲にして、少しも不愉快な顔を見せないのも承知していた。彼は子供に対する母親の愛情が父親のそれに比べてどの位強いかの疑問にさえ逢着した。

四、五日前少し強い地震のあった時、臆病な彼はすぐ縁から庭へ飛び下りた。彼が再び座敷へ上って来た時、細君は思いも掛けない非難を彼の顔に投げ付けた。