Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
「この間帰る時既にそういって行ったんです」
「で、どうでしょう、此所いらで綺麗に片を付ける事にしたら。それでないと何時まで経っても貴方が迷惑するぎりですよ」
健三は迷惑を省いてやるから金を出せといった風な相手の口気を快よく思わなかった。
「いくら引っ懸っていたって、迷惑じゃありません。どうせ世の中の事は引っ懸りだらけなんですから。よし迷惑だとしても、出すまじき金を出す位なら、出さないで迷惑を我慢していた方が、私にはよッぽど心持が好いんです」
その人はしばらく考えていた。少し困ったという様子も見えた。しかしやがて口を開いた時は思いも寄らない事をいい出した。
「それに貴方も御承知でしょうが、離縁の際貴方から島田へ入れた書付がまだ向うの手にありますから、この際いくらでも纏めたものを渡して、あの書付と引き易えになすった方が好くはありませんか」
健三はその書付を慥に覚えていた。彼が実家へ復籍する事になった時、島田は当人の彼から一札入れてもらいたいと主張したので、健三の父もやむをえず、何でも好いから書いて遣れと彼に注意した。何も書く材料のない彼は仕方なしに筆を執った。