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Japanische Klassiker mit Furigana

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みちくさ

道草

夏目 漱石

Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし何といっても動かないので、ともかくも彼の希望だけは健三に通じようと受合った。――ただこれだけなのである。

「少し変ですねえ」

健三にはどう考えても変としか思われなかった。

「変だよ」

兄も同じ意見を言葉にあらわした。

「どうせ変にゃ違ない、何しろ六十以上になって、少しやきが廻ってるからね」

「慾でやきが廻りゃしないか」

比田も兄も可笑しそうに笑ったが、健三は独りその仲間へ入る事が出来なかった。彼は何時までも変だと思う気分に制せられていた。彼の頭から判断すると、そんな事は到底ありようはずがなかった。彼は最初に吉田が来た時の談話を思い出した。次に吉田と島田が一所に来た時の光景を思い出した。最後に彼の留守に旅先から帰ったといって、島田が一人で訪ねて来た時の言葉を思い出した。しかしどこをどう思い出しても、其所からこんな結果が生れて来ようとは考えられなかった。

「どうしても変ですね」

彼は自分のために同じ言葉をもう一度繰り返して見た。それから漸と気を換えてこういった。

「しかしそりゃ問題にゃならないでしょう。ただ断りさえすりゃ好いんだから」

二十八

健三の眼から見ると、島田の要求は不思議な位理に合わなかった。