Japanische Klassiker mit Furigana
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みちくさ
道草
Lesen Sie 道草 (みちくさ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.812 Zeichen · 293 Bildschirme
二人はその時の異様な結婚式について笑いながら話し合った。
東京からわざわざ彼女を伴れて来た細君の父は、娘に振袖を着せながら、自分は一通りの礼装さえ調えていなかった。セルの単衣を着流しのままでしまいには胡坐さえ掻いた。婆さん一人より外に誰も相談する相手のない健三の方ではなおの事困った。彼は結婚の儀式について全くの無方針であった。もともと東京へ帰ってから貰うという約束があったので、媒酌人もその地にはいなかった。健三は参考のためこの媒酌人が書いて送ってくれた注意書のようなものを読んで見た。それは立派な紙に楷書で認められた厳めしいものには違なかったが、中には『東鑑』などが例に引いてあるだけで、何の実用にも立たなかった。
「雌蝶も雄蝶もあったもんじゃないのよ貴方。だいち御盃の縁が欠けているんですもの」
「それで三々九度を遣ったのかね」
「ええ。だから夫婦中がこんなにがたぴしするんでしょう」
兄は苦笑した。
「健三もなかなかの気六ずかしやだから、御住さんも骨が折れるだろう」
細君はただ笑っていた。別段兄の言葉に取り合う気色も見えなかった。
「もう帰りそうなものですがね」