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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

とにかく自身番まで死骸を運ばせて町方役人立会で検屍を済ませたのは夜中過ぎ、困ったことに、女の身元がどうしても解りません。

「銭形の親分ところの八兄哥じゃないか、とんだ事に掛りあって、さぞ迷惑だったろう」

遅れて飛んで来た目黒の兼吉――これは老巧な良い御用聞で、平次に楯を突いたり、八五郎をからかったりするような人柄ではありません。

「目黒の親分、これには深いわけがありそうですぜ。とにかく女の身元を洗ってみて下さい」

八五郎も外に工夫はありません。

兼吉の子分は八方に飛びました。

女はやはりお吉というのが本名で、中目黒切っての物持ち、洒落に両替もやるといった、近江屋七兵衛の番頭佐太郎が、人目を憚って、思い切り遠方に囲っている妾だったのです。

近江屋の番頭佐太郎は、翌る日の昼前に縛られました。番所で引っ叩かないばかりに責めてみましたが、知らぬ存ぜぬの一点張で、筋の通ったことは一つも白状しません。

ちょうどその頃。

「親分、大変、近江屋の主人が死にましたぜ」

兼吉の子分が、番所へ飛んで来たのです。

「何? 頓死か、怪我か」

「それが怪しいんで――、昼飯の後で、大変な苦しみようだったと言うし、身体が斑になって、舌も眼も引釣ったって言うから、ことによればやられたかも知れません」