Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
七
七
「解ったッ」
平次はいきなり飛上がりました。
その晩、沈み返って帰って来て、お静やガラッ八ともあまり口も利かずに、煙草ばかり吸っていた平次ですが、やがて亥刻半(十一時)と思う頃、不意にこんな大きな声を出したのです。
「親分、何が解ったんで――」
見上げたガラッ八の顔の長さ。
「何もかも解ったよ。こんな詰らない事に、今まで気がつかないなんて、何というドジだろう」
「ヘエ――」
ガラッ八は自分が叱られているような心持です。
「八、一緒に行こうか」
「どこへ行くんで、親分。もう亥刻半ですぜ」
ガラッ八は少し睡そうでした。
「先刻、三村屋から使いの者が、小僧の初七日だからって、お菓子と酒を持って来たろう」
「ええ」
お静は顔を挙げました。いつまでも若くて美しい女房振りです。
「それが術だったんだ、――俺と八が、トグロを巻いて自分の家に居るところを見届けて行ったのさ」
平次の話は奇っ怪です。
「あの使いの小僧がそんな悪者ですかい、親分」
「小僧じゃない。小僧の口占を引く奴が居るんだ」
「それがどうしたんで」
と、ガラッ八。
「何でもいいから、面白いものが見たかったら、一緒に来るがいい」