Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「ハイ」

次の間から出て来た又次郎、――若い美しい女房に溺れ切って、家業より外には何の楽しみも望みも持っていないらしい若者、父親の厳しい眼を避けるように、いそいそと先に立ちます。

四

「これが家内」

又次郎に引合されたのは、ひどく打ち萎れてはおりますが、なんとなくハチ切れそうな感じのするお冬、丈夫で素直で、美しくて、まず申分のない嫁女振りです。

「それから、これが妹分のお秋」

これはお冬にも優して美しい容貌ですが、どこか病身らしく、日蔭の花のようにたよりない娘です。年の頃は十八九。

これは後で又次郎に聞いた事ですが、妹といっても実は奉公人で、頼るところもない身の上を気の毒に思って、三年越し目をかけてやっている娘だったのです。いかにも育ちは良いらしく、物腰態度に、何となく上品なところさえあって、見ようによっては、町家に育った、嫁のお冬よりも遥かに美しく見えます。

続いて大番頭の長兵衛、手代の信吉、皆造、丁稚小僧までなかなかの人数ですが、平次は面倒臭そうな様子もなく一人一人に世間話やら、商売の事やらを訊ねて、お勝手から風呂場の方へ歩みを移します。

仲働きはお増というきかん気らしい中年者、飯炊きは信州者の名前だけは色男らしい権三郎。