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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

六

俺から奪った物を返すなら命ぐらいは助けてやってもいい――とも言うぜ」

「勝手にさせたらいいでしょう。本当に突き落した奴があるなら、遠慮なんか要るものか、一日も早く縛らせて、何とかしてやりゃいいじゃありませんか」

丸屋長次郎は強気の一本槍です。

堅実そうな店構え、若くて威勢のいい主人。そう言ったものが、丸屋の空気をすっかり明るくして、この中から暗い罪の蔭などを捜し出せそうもありません。

六

「私は新でございます。千之助さんが生きていなすったというのは、そりゃ本当でございましょうか」

聞き兼ねた様子で、店先へ顔を出したのは、藍色の袷を着た、紫陽花のような感じのするお新でした。

「ちょうどいい。御新造、――千之助が生き還ったこともお聞きなら、何にも言うに及ばねえが、この先どうする積りで?」

平次がこんなに人の悪い問を弄ぶのは、珍しいことです。

「どうもいたしません。私はここの嫁ですもの」

「…………」

平次は黙って眼を見張りました。何という簡単な、が、含蓄の多い言葉でしょう。

「今さら申上げても仕様がありませんが、徳力屋へゆけと言ったのは親達。ここへ嫁いで来たのは私の望みでございます」