Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
三
季感は日本のあらゆる芸術の特色で、これを織り込んで、一つのノスタルジア(郷愁)を生んだ、岡本先生の手柄は大きい。
時代考証もやかましくいわれるが、私はあまりこだわらないようにしている。捕物小説という一つの世界には、かぶき芝居のような夢があって差支えはないように思う。言葉にしても、三馬、一九の調子でやられたら、今の読者はみんな逃げ出すにきまっている。
ともかく、江戸時代というものは、悪い時代であったに違いないが、時の濾過を経ると、悪夢は大方消えうせて、美しいもの、良いもの、なつかしいものだけが残る。その舞台の上に、存分に庶民を踊らせる捕物小説は、われらにとっては、まことに素晴らしいファンタジーである。この背景の中に、いろいろの人間を描こうとする野心は、いかなる小説も変わりがあるはずはない。
三
「銭形平次を書いているのが、いかにも楽しそうではないか」と、ある会合の席上で名ある捕物小説作家達にいわれたことがあった。その時は、こちらの腹を見透かされるのが劫腹で、ツイ、
「いやそんな事はない、何を書いても作家の苦心は同じことだ、私だって、洒落や道楽で捕物小説を書いてるわけではない」