Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
四
平次は橋の上へ、野次馬を掻きわけるように登って行きました。ちょうど中ほど、ひときわ人間の群がるあたりが娘の死骸を晒した場所でしょう。橋の上には、橋役人の言った通り、血の痕一つありませんが、欄干は、平次の心なしか、逞しい麻縄で摺れて、少しばかり木目の凹んだところがあるような気がします。
四
「親分、口惜しいね。三輪の万七の鼻を明かせなきゃ溜飲が下がらねえ」
「つまらねえ事を言うな」
銭形の平次と八五郎は、とにもかくにも引揚げました。小間木善十郎の指図で、大先輩の三輪の万七が、お神楽の清吉以下の子分を動員し、縄張構わずの大活動を開始したところに、白い眼を見せ付けられながら、愚図愚図してはいられなかったのです。
「町内の若い者を一人残らず当っても構わねえから、あの娘に気のあったのや、嫁に欲しいと言い出したのを一人残らず調べ上げてくれ」
「親分は……」
「あの剣の出た場所を捜して来る」
平次は何より剣を気にしている様子でした。
「娘は男におびき出されたんじゃありませんか、親父が留守になったんで、逢引にはこの上もない時で――」
「三輪の兄哥もそんな事を考えているようだが、それだけは間違いだよ。