Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「面目次第もねえが、物事ははっきり言わないと辻褄が合わねえ。――気が付くと尻餅をついていたところを見ると、親分の前だが、どうもあっしの方が投げられたらしい」

「馬鹿だなア、それっきり引下がったのか」

「口惜しいが歯が立たねえ、何しろ恐ろしい腕だ、――そのうえ言う事がいい」

「…………」

「銭形平次――と言うから、どれほどの男かと思ったが、なんと弱い野郎か――って言やがる」

「何? 手前を平次と間違えたのか。そいつは面白い」

平次は膝を乗出しました。

「ちっとも面白くはねえ、谷中を引張り廻されたり、藪の中へ投り込まれたり」

「諦めろ、八。こいつは大物らしいぞ、――とにかく鶴源まで行ってみよう」

平次は立上がりました。羽織を引っ掛けると、お静の手から脇差を受取って、突っかけ草履、切火を浴びながら、促し顔に八五郎を見やります。

「今から行くんですか、もう戌刻半(九時)ですぜ」

「戌刻半でも子刻(十二時)でも、これは放っちゃおけない」

平次は何やら大事件を嗅ぎ出した様子です。

三

鶴源はまだ宵でした。暖簾に遠慮して、お勝手口へそっと番頭を呼出して訊くと、

「その方なら確かにいらっしゃいました。