Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「親方、――何にも言わない、――倅に代って私が詫びます。どうか許してやって下さい」
「…………」
喜兵衛はピタリと畳の上へ両手を突きました。が、松五郎は血走る眼を挙げてジロリと見たっきり一言も言いません。
「あんな綺麗な一人娘に死なれて、親方の気持はどんなだろう、考えただけでも、私も胸が痛くなる――どんな事をされても決して怨みとは思わない――が」
「どんな事をされてもかい」
松五郎の血走る眼はまた光ります。
「倅も悪気でした事じゃない。そこを何とか勘弁してやって下さい。親方、頼みます」
喜兵衛は本当に七重の膝を八重に折りました。
「ならねえよ」
「え?」
「勘弁などは思いも寄らねえ、――なア、相模屋さん、あっしはケチな植木屋、お前さんは江戸の長者番付にも載るほどの分限者だ。言わば提灯に釣鐘、――それは判っているが、思い合った二人の仲、目をつぶって許してやったら、こんな事にはならなかったはずだ」
「…………」
「仲を割かれて、危ない矢文などを飛ばすからこんな事になるんじゃねえか。なア、相模屋の大将、――若旦那がお前さんへ、お駒と夫婦になりたいと言った時、『あんな貧乏人の娘を貰っちゃ世間や親類方の手前も悪い、せめて吉原の華魁、入山形に三つ星の名ある太夫でも受出して来い』