Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

三

荒物屋の女房の話にも筋は立ちます。それにしても、梶四郎兵衛が宵に出たという用事は何? 娘のお勇をおびき出して、こんな残酷な目に逢わせた手紙はどんな事を書いてあったでしょう? 袖から帯の間などを一応調べて見ましたが、それらしいものは一つも見当らなかったのです。

三

事件重大と見て、時を移さず八丁堀同心小間木善十郎は、三輪の万七、お神楽の清吉以下の御用聞を従えて出役しました。

「これは、小間木様、御苦労に存じます」

「平次か、お前が嗅ぎ付けて来るようじゃ、下手人が挙がったも同様だろう」

小間木善十郎は少しばかりイヤな事を言います。若くて野心的で、ともすれば平次と違った方向へ奔逸する善十郎は、決して平次に好感を寄せる相手ではなかったのです。

「とんでもない。旦那、なんにも見当が付いちゃいません」

平次は慎み深く死骸の側を離れて、先輩の三輪の万七に譲りました。

「なるほど、これは大したきりょうだ」

万七の冒涜的な眼が、平次がやったよりも念入りに、娘の死体を改めます。

「どうだ、万七、見込みは?」

と小間木善十郎。

「若い女の首へ縄をつけて、両国橋の欄干からブラ下げるのは、よくよく劫を晒さしたい野郎の仕業でしょう。