Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
五
「何をしやがる。人の命まで金で買おうとしやがる、金持根性がそれだから気に入らねえよ。申訳がないと思ったら、腹を切るなり坊主になるなり、せめて娘があれほどまでに思いをかけた、倅の瓢箪野郎をお通夜にでもよこしやがれ、間抜け因業爺い奴、相模屋の身上、逆様に振って持って来たって、勘弁なんかしてやるものか」
「親方」
あまりの剣幕に驚いて、喜兵衛も立上がりました。松五郎は本当に掴みかかりかねまじき勢いです。
「そんなに有難い金なら持って帰りやがれ、金を有難がるのは金持ばかりだ、ざまア見やがれ」
松五郎は帛紗をさらったと思うと、喜兵衛の額のあたりへ叩き付けました。幸い、一髪の違いで避けましたが、帛紗は柱に砕けて、中から飛出したのは、小判で百枚、嵐に吹き散らした何かの葩のように、バラバラと乱れ散ります。
さんざんの体で逃げ帰る喜兵衛と茂七、松五郎はその後ろ姿を見送って、ポロポロと涙をこぼしながら笑っておりました。
五
その晩、お通夜へ行ったはずの新助が、木戸の外で、植木鋏で喉を突かれて死んでいたのです。
見付けたのは迎えに行った番頭の茂七、その時はもう夜が明けておりました。