Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「…………」
「だんだん考えてみると、お先棒の三次は、身軽で有名な男だ。火事場の働きが目覚ましいと、お前が言ったろう」
「ヘエ――」
八五郎、とうの昔にそんな事を忘れていたのです。
「船に死骸をのせて漕ぎ出し、死体の首に結んだ綱の先を、竿で欄干を潜らせ、下から綱を引っ張って、死骸を欄干の下まで引上げたのさ」
「欄干へ結んだのは」
「それからが、三次の身上だ。死骸を吊った綱を船に縛り付け、橋桁を伝わって欄干まで登って、そこで念入りに縛り付けて、綱の端を切り落としたのち、死骸の首へ巻き付けた。綱の端をよく見て来るがいい」
平次の絵解きには寸毫の疑問もありません。
「なんだって、娘の死骸を両国橋へなんか晒したんでしょう」
「悪人の心持は、お前には解らないよ、――八は善人だ」
「からかっちゃいけません」
「若い娘に劫を晒さして、死骸にあんな恥を掻かせるというのは、人間らしい心持のない奴だ」
「茂吉を晒したのは」
「あの悪戯が面白くなったのさ。――が、そんな増長した事をするから、悪人が縛られるんだね。悪人が増長しなきゃ、俺達の手に負えないかも知れない」
岡っ引らしくない平次は、こんな事を考えていたのです。