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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

「そいつは変だ、俺のところへ来たのは、九尾の狐が化けたような、凄い年増だ。――何か、恐ろしい行違いがあるに違いない」

「…………」

番頭もガラッ八も顔を見合せるばかりです。

「その武家は、どこの何と言う方か、帳場や女どもには判っているだろうね」

「それが一向判りません、全くの振りのお客で。それに、こんな場所へは滅多にいらっしゃりそうもない御仁体でしたが、御帰りの時は大層な御奮発で、女中に一分ずつ祝儀を下すった上、私にまで丁寧な御挨拶でございました」

「外に心付いた事はないだろうか」

「親分さんへ差上げたものの外に、手紙を二本も御書きなすったそうで、――それから、ひどく沈んで、御帰りにはどこかの御寺へ廻るようにと、御供へ言い付けていなすったようでございます」

「日が暮れてから寺詣りか」

「ヘエ――」

「少しおかしくはないか、八」

平次は後ろに突っ立っている八五郎を顧みました。

「谷中へ行ったんじゃありませんか。やはり、お狐の仲間で」

ガラッ八は胸のあたりで拳固を泳がせて、お狐の真似をして見せます。

「そんな気楽なことならいいが、――その武家は腹を切る積りかも知れないよ。