Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「馬鹿奴、封印を切って持って来るとは何事だ、――万一中に間違いがあると、その分には差し置かぬぞ」
「…………」
手文庫の蓋を払った丹之丞。
「これは何だ、清左衛門」
いきなり立上がると、足を挙げてハタと手文庫を蹴飛ばしました。畳の上に乱れ散る小菊、偽物の短刀。
「恐れながら――」
「何が恐れながらだ。権現様御墨付、郷義弘の短刀、この二品をその方に預けたではないか。このようなただの懐紙二三枚ど、大なまくらの短刀を預けた覚えはないぞ」
「ハッ」
「御墨付と短刀は安倍家の重宝、一日もなくて叶わぬ品だ。どこへやった」
「清左衛門が御預かり申上げたのは、この二品に相違ございません」
「ば、馬鹿奴」
丹之丞は思わず一刀の柄に手を掛けました。
「篤と御配慮を願います。私奴が御預かり申上げましたのは、確かにこの小菊となまくら」
清左衛門は顔を上げました。強かな四十男の表情は、若い主人を圧して、寸毫も譲る気色はなかったのです。
「あの二品がなくては、安倍家は断絶だ。それに直れ、手討にしてやる。せめて公儀への申訳」
丹之丞の手には早くも抜刀が、連ねた灯にギラリと光ります。
「恐れながら、御墨付と短刀は、この御屋敷の中にあるに相違ございません、――御屋敷中の物で、私奴の調べの届かない品と申せば、殿様御出発際錠前をおろされた御手元の御用箪笥だけでござい