Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
三十をだいぶ過ぎた、ちょっと良い男。藍微塵の狭い袷の胸をはだけて、かけ守袋と白木綿の腹巻を覗かせた恰好で、縁側からポンと飛降ります。
「あれ、お前さん、銭形の親分だよ。滅多なことを言っておくれでない」
後ろから袖を押えるように、続いて庭先に出たのは、三十を少し越したかと思う、美しい年増、襟の掛った袢纏を引っかけて、眉の跡青々と、紅を含んだような唇が、物を言う毎に妙になまめきます。
「何をッ、銭形だか、馬方だか知らねえが、厭な事を言われて黙っていられるけえ。憚りながら、親子勘当はされているが、この節はすっかり改心して、親の居る方には足も向けて寝ねえように心掛けている又五郎だ。間違ったことを言やがると、土手っ腹を蹴破るぞ」
「兄イ、勘弁してくんな、たいした悪気で言ったわけじゃあるめえ。なア八、手前も謝ってしまいな」
平次は二人の間へ食込むように、垣根越しながら、又五郎を宥めます。
「銭形のがそう言や、今度だけは勘弁してやら。二度とそんな事を言やがると、生かしちゃおかねえぞ、態アみやがれ」
又五郎は少し間が悪そうに、ガラッ八の頭から捨台詞を浴びせて家の中へ引込んでしまいました。