Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
六
吹矢は風呂の棚の上からなくなったと言いましたが、私は見当をつけて探すと、一ぺんに見つかってしまいました、これでしょう」
平次は二つ折にした懐紙を出して、又左衛門の前に押し開くと、その中から現れたのは、紛れもない磨いた油竹に美濃紙の羽をつけた吹矢――、もっとも吹矢はすっかり泥に塗れて、紙の羽などは見る影もありません。
「あッ、これだこれだ、どこにありました」
「それを言う前に伺っておきますが、御新造は、その晩外へ出なかったでしょうな」
「え、風呂場からお父様をここへお運びして、それからズッとつき切りでございました」
お冬は救いの綱を手繰るように、おどおどしながら言い切ります。
「そうでしょう、――ところでこの吹矢は庭の奥の土蔵の軒に、土の中に踏み込んであったのです」
「えッ」
「それも、女の下駄なんかじゃありません。職人や遊び人の履く麻裏で踏んでありました」
「ホウ」
又左衛門も又次郎も、声を合せて感歎しました。その一座の驚きに誘われるように、
「有難うございます。銭形の親分、私は、もうどうなることかと思いました」
お冬は敷居際に、泣き伏してしまいました。
六
事件はこんな事では済みませんでした。