Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

そのうち平次は、

「ガラッ八、今朝食った物へ、みんな封印をしろ。鍋や皿ばかりでなく、水甕も手桶も一つ残らずやるんだ、解ったか」

「合点」

平次のやり方は機宜を掴みました。もう半刻(一時間)放っておいたら、親切ごかしの野次馬に荒されて、何が何だかわからなくなってしまったでしょう。

吹矢で腕一本失った時と違って、今度は事件を揉み消すわけに行きません。一家中毒を起して小僧が一人死んだ上、あと幾人かは、生死も解らぬ有様ですから、平次が行き着く前に、町役人から届出て朝のうちに検屍が下る騒ぎです。

町医者立会の上、いろいろ調べてみると、毒は朝の飯にも汁にもあるという始末、突き詰めて行くと、井戸は何ともありませんが、お勝手の水甕――早支度をするので飯炊きの権三郎が前の晩からくみ込んで置いた水の中には、馬を三十匹も斃せるほどの恐ろしい毒が仕込んであったのです。

「これは驚いた、これほどの猛毒は、日本はもとより唐天竺にも聞いたことがない。附子や鴆といったところで、これに比べると知れたものだ」

と、奎斎先生舌を巻きます。

「すると、その辺の生薬屋で売っているといったザラの毒ではないでしょうな」