Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
これは由井正雪が島原で調合を教わったという南蛮秘法の大毒薬で、一と樽が何万人の命を取るという恐ろしいものであった」
「…………」
「玉川に流し込んで、江戸の武家町人を鏖殺にしないまでも江戸中の大騒ぎを起させる目論見のところ、丸橋忠弥の召捕から一味ことごとく処刑になって、毒薬はお上の手に召上げられ、越中島に持って行って焼き払われた――これだけの事はお前も聞き知っているであろうな」
「ヘエ――、存じております」
「ところが、二本榎の貸家で見つかった毒薬というのは、その実二百三十樽だけで、あと百樽の行方がどうしても判らぬ」
「エッ」
「一味の者は誰も知らず、係りの平見某は口を緘んで殺され、その首領の柴田三郎兵衛は、鈴ヶ森で腹を切ってしまった。御老中方を始め、南北の御奉行、下って我々までも、ことの外心配したが、百樽の毒の行方はなんとしても判らず、忘るるともなくそれから何年か経ってしまった」
「…………」
「もしその百樽の毒薬が由井、丸橋の残党の手に入り、諸方の井戸や上水に投げ込まれるようなことがあっては、江戸中の難儀はもとより、ひいては天下の騒ぎだ。田代屋一家鏖殺に使った毒は、町の生薬屋で売るような品でないとすれば、あるいはその百樽の毒薬から取出したものかも知れぬ」