Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「これは不思議だ、着物の外から捜って突っ立てたのかい」
源吉は酸っぱい顔をしました。竹光で外から捜って、三度目に致命的な突きをくれるというのは、生身の人間を相手には出来ないことです。
「その二ヶ所の浅い傷は、血も何にも出ちゃいない。死んでから付けたのさ」
平次は註を入れてやりました。
「死んでから竹光を突き立てたのかい」
と、源吉。
「鋸引きにする積りだったかも知れない。よっぽどの怨みがあったんだね」
「主人は微塵流の達人だったというから、まさか竹光で突かれて死ぬようなことはあるまい」
それは笹野新三郎の当然の疑いでした。
「刀か槍で刺して、その傷口へ竹光を突っ立てたのじゃございませんか、旦那」
と平次。
「なるほど」
「この竹光は誰の物か、解っているだろうな」
平次は下男の藤助を顧みました。妙に退っ引させぬ厳しい調子です。
「申上げて宜しゅうございましょうか、お嬢様」
藤助は、おろおろしました。
「あれ、お前、滅多なことを」
お頼は涙の顔を挙げて、出来ることなら、藤助の口を封じたい様子です。すっかり泣き濡れておりますが、眼鼻立ちの可愛らしさは非凡で、この娘一人のためにでも、幾人かの人が命を落しても不思議はないでしょう。