Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

「一緒に来てみるか」

「ヘエ――」

妙な緊張が、ガラッ八の背筋を走ります。

「御免よ」

湯屋の裏口からヌッと入った平次、その時はもう薄暗くなって、腰高障子に釜前の火がほのかに射しておりました。

「誰だえ」

中からは図太い声。

「番頭さんは居るかい」

「何の用事だ」

と言う声を確かめると、ガラッ八に眼くばせして障子を引開けさせた平次。

「御用ッ」

真っ向から飛込みました。

「あッ何をしやがる」

三助はちょうど湯加減を見ていた小桶の熱湯、そのまま平次へ浴びせようとするのを、身をかわして右手を挙げると一枚の青銭流星のごとく飛んで三助の拳を打ちます。

「あッ」

と熱湯の小桶を取落すところへ、踏込んだ平次、有無を言わせず犇々と縛り上げてしまいました。

これが本当に咄嗟の間で、表の方の客は気がつかなかったくらい。

「どうしたんだ、騒々しいじゃないか」

奥から物音を聞いて顔を出した亭主は、十手の光にへた張ってしまいました。

「御亭主、すまないがこの男の身体を借りて行くよ。しばらくの間お前さんが番頭の代りを勤めて、この事を誰にも気取られないようにして貰いたいが、どうだろう」

「ヘエヘエ」