Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
四
で働いているのである。
四
捕物小説は浮世絵の世界であり旧劇の舞台である。探偵小説としては、それは第二義的なものであるかもしれないが、その代わり、時代による迷彩に助けられて、読物としては、一段の温かさと、親しさと、そして美しき夢を加えていることも争われない。
私は過去二十年の間に、少なくとも四百二三十篇の捕物小説を書いた。勿論それはジャーナリズムに強いられたためではあったにしても嫌いでは決して出来ないことで、探偵小説の持つ推理の興味と、髷物小説を特色づける夢とが、私を鼓舞してこの驚くべき生産を遂げさしたことだろうと思う。
私の捕物小説に仮りに用いた主人公の名は、銭形平次、池田大助を始め――曰く何と算え来ると五指にも余るだろう。そのうち銭形平次と池田大助は最も多く、その性格もまたやや対蹠的に書かれた積もりである。銭形平次の温かさと俊敏さは、池田大助にも共通するだろうが、平次の好謔は大助の生真面目さと相対し、平次の練達は、大助の若さに、そして平次は腹の底からの江戸の庶民であるのに対して、大助は桶屋の倅であるにしても、名判官大岡越前守の用人で、押しも押されもせぬ二本差しの武家である。