Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「お駒、――誰だい、こんな目に逢わせたのは」
がしかし、お駒はもう正気もありませんでした。洞ろな眼を開いて、わななく唇が少し動くと、宙に物の影を追うように、
「若旦那――若」
たった一と言、そう言ったまま、ガックリ首を垂れてしまったのです。
「お駒」
「お駒さん」
母親とお雪は左右から取縋りました。が、もうこと切れてはどうすることも出来ません。
その時、――
「何? お駒がどうしたと?」
飛んで来たのは、父親の松五郎、少し酔っている様子ですが、一と目、この場の様子を見ると、お駒の側へ行く前に、
「やりやがったな、畜生ッ」
恐ろしい勢いで新助へ掴みかかります。
「松五郎、馬鹿なことをするな」
驚いて二人の間へ割って入ったのは佐々村佐次郎でした。
「馬鹿な事じゃねえ、娘の敵を討つんだ、退いてくれ」
腰から抜いた植木鋏を当座の武器に、新助目がけて振りかぶったのです。
「矢がを越えたのは過ちだ。つまらない事をするな」
佐次郎は後ろから羽掻締めに、しばらくは揉み合います。
「町人が弓なんか玩具にするから、こんな事を仕出かすじゃないか。何べんも文句を持込んだのを調戯い面で聴きやがって、こんな出来の良い娘を、玉無しにしてしまって畜生ッ、どうするか見やがれッ」