Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

「こんな変った事件も珍しいから、俺も御用聞冥利と、徳力屋の主人が気の毒さに引受けたが、今度という今度は、今までのようには裁き切れない。――思い切って変ったことをしてみよう。一緒に来るか。八」

「どこまでも参りますよ。親分」

ガラッ八はもう忠実な猟犬が、角笛の音を聞かされた時のように勇み立っております。

「今日は御用聞じゃねえ、人相見だよ。証拠のねえところから下手人を挙げるんだ」

「ヘエ――」

二人はまず横山町の徳力屋へ――。

「御免よ、神田の平次だが、主人にちょいと逢いてえ」

日頃の平次に似気なく権柄ずくです。

「どうぞこちらへ――」

通されたのは、離室のようになった奥の六畳、横山町切っての金物問屋で、店構えから住居の造作、細々した調度までその頃の江戸の大町人らしい贅を尽しております。

「親分さん。私は主人の吉五郎でございますが、どんな御用で――」

恐る恐ると言っていいほど、臆病そうな顔を出したのは、三十前後の典型的な町家の主人でした。評判の良い銭形平次ですが、御用聞に訪ねられるのは、さすがに心配だったのでしょう。

「少しお訊きしたいことがあって来たが、――先代の千之助さんが行方不明になってからもう一年になるでしょうね」