Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

平次の調子は少し穏やかになります。

「ヘエ――、一周忌は十日ばかり前に済ませましたが――」

「ところで、お前さんは、前々から今の御新造――先代には妹さんのお辰さんと一緒になる約束でしたかい」

「いえ、とんでもない、そんな事などは夢にも考えません。お辰とは従兄妹同士で、知らない仲ではございませんが、一緒になったのは、先代に不意の事があって、一と月も経ってから始まった話でございます。――その時も婿八人で、稲葉屋さんのように、自分の店を仕舞ってもここへ養子に入りたいと言ったのもあるそうでございますよ」

「先代が亡くなると、この身上はお前さんへ行く仕組になっていたような事はなかったでしょうか。いやこれは世間の噂だが」

平次は鋭いさぐりを入れました。

「と、とんでもない事で、親分さん。私は徳力屋へ乗込んだのは、先代が死んでから親類一同寄って決めたことで、これは誰に聞いてもわかります。徳力屋の親類や知合いには、婿になりそうなのが六人はございます。私などは最初から話の種にもならなかったのですが、先代と仲が良かったので、先代の霊が力添えをしてくれたのでしょう。別段進んでどうこうということもいたしませんが、分家から入って徳力屋の跡取りに直されましたようなわけでございます」