Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme
「あッ」
と立直るところを、足をさらわれて、さすがの八五郎、真っ逆様に引くり返ってしまいました。
「な、何しやがるんでえ、怨みがあるなら名乗って来い。金なんざ、百も持っちゃいねえぞ」
と言ったが追い付きません。相手は恐ろしく強いのばかり三人。ガラッ八も力ずくでは滅多に人に引けを取りませんが、こんなに腕っ節の強いのに揃って来られては、全くどうすることも出来なかったのです。
「…………」
三人の相手は、唖のごとく黙りこくって、ガラッ八の懐から袂、髷節の中から、褌の三つまで捜しました。
「擽ってえや、野郎、何が望みで人の身体を捜すんだ。臍なんか摘むと噛み付いてやるぞ、畜生ッ」
口だけは達者に動きますが、非凡の腕力揃いに、両手と首を押えられての作業では、ガラッ八の武力も全く用いようがなかったのです。
これが素人衆だと、大きい声を出して自身番を呼ぶとか、往来の人に駆けて来て貰う術もあったのでしょうが、十手捕縄を預かる身で、素姓も知れない者に、往来で手籠にされるのを見られたくありません。
「ない」
「人が来た」
「引揚げよう」
小さい声で囁き交した三人、ガラッ八を土手の上から突き転がすと、そのまま後をも見ずに三方へ。