Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

三

これは実に心得たやり口でした。ガラッ八が三人のうちどれを追っかけようと、しばらく躊躇するうちに一人残らず町の闇に解け込んでしまったのです。

いやそれどころではありません。土手から川へ転がされて柳の根っこに獅噛み付かなかったら、危うく土左衛門になるところだったのですから、三人の曲者を追っかけるどころの沙汰ではなかったのです。

立上がって懐を探ると、幸い十手は無事。

「畜生奴ッ」

髷の刷毛先を直して、肩から裾の埃を払うと、ガラッ八はもう歩き出しておりました。懐中の十手さえ無事なら、多勢に無勢、袋叩きにされても致し方がないといった達観した気持になっているのでした。

三

翌る日、ガラッ八のところへ大変な者が押し掛けて来ました。

「小母さん、八さん在らっしゃる? あらそう、まだ寝ているなんて頼母しいわねえ」

二十五六、この時代の相場では大年増ですが、洗い髪を無造作に束ねて、白粉っ気なしの素袷、色の白さも、唇の紅さも艶きますが、それにも増して、くねくねと品を作る骨細の身体と、露を含んだような、少し低い声が、この女の縹緻以上に人を悩ませます。

「お前さんは?」

叔母は少し遠い眼を見張りました。