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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.725 Zeichen · 298 Bildschirme

Aozora Bunko

五

「へン、銭形の親分の見透しさ。お吉の阿魔、すっかり喜んで後ろを振り向いても見ねえ。もっとも、振り向かれちゃ大変だ」

八五郎はブラサゲた手拭を早速頬冠りにしました。ガラッ八相応の変装術です。

女はそんな事も知らぬ様子で、賑やかなところを通るように、――白金へ辿り着いた時はもう亥刻(十時)近い頃でしたでしょう。

五

「おや?」

六軒茶屋町から永峰町、行人坂を越して、ガラッ八は女の姿を見失ってしまったのです。

太鼓橋を渡って、中目黒の方へ、田圃道を当もなく行くと、昨夜と違って良いお月様に照されて、その辺の風物までが妙に感傷をそそります。

どこやらで――女の悲鳴。

駆け出したガラッ八は、ハタと躓きました。

往来に崩折れているのは紛れもないお吉、抱き起すと、――あッ血、胸を一とえぐり、一とたまりもなく死んだ様子です。

早くも結び文に気の付いたガラッ八は、帯の間、袖、襟――など、およそ女が物を隠しそうなところを残るくまなく捜しましたが、下手人に奪られたと見えて、その辺には影も形も見えません。

それからの騒ぎはどんなに大袈裟であったにしても、この物語の筋とは関係のないことです。