Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「喉の絞めた痕を見るがいい」

「…………」

八五郎は唸りました。平次が指摘した死体の喉には、荒縄とは似も付かぬ、細くて深い溝が一と筋、歴々と走っているではありませんか。

「あれはカンじゃない、物の理窟だ。番頭さんを絞め殺したのは、真田紐のような、丈夫で細いものだ。下手人はその紐を捨てて行くと、足が付くと思ったが、何で殺したか判らないと、後が面倒で、細い真田紐を死骸の頸から解いて、その後へ、その辺に落ちていた荒縄を巻き付けた」

「…………」

ガラッ八は一句もありません。こうなると、下根のカンの頼りなさが、はっきり呑込めます。

「この下手人は容易ならぬ人間だよ、落着いて、横着で、考え深くて――」

平次は明日の大取組を前に、相手の力量を考える力士のように、思わず深々と腕を組みました。

「親分」

心配そうにその顔を覗く八五郎。

「少し外へ出てみよう」

平次は八五郎を促して、外へ出て行きました。

三

路地の死体のあったあたりに落ちていた小判は、丁寧に勘定すると七十八枚、それから横山町の大通りから両国の方へも、バラバラと二十二三枚こぼれておりましたが、朝のうちに往来の人に拾われたのも何枚かあるでしょうから、正しい数は判りません。