Japanische Klassiker mit Furigana
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おれはにじゅうめんそうだ
おれは二十面相だ/妖星人R
江戸川 乱歩
Lesen Sie おれは二十面相だ/妖星人R (おれはにじゅうめんそうだ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 194.415 Zeichen · 391 Bildschirme
小林少年は、その黒っぽい銀の箱を、じっと見つめていました。長いあいだ、そうして見つめていますと、ボーッと目がかすんできて、あたりがうすぐらくなり、銀の箱だけが、スポットライトをあてたように、白っぽく見えるのです。
「あっ! 動いた!」
銀の箱が、スーッとうごいたのです。
小林君は驚いて、見なおしました。目をこすって見なおしました。
箱は、やっぱりもとの小テーブルのまんなかにあります。いまのは目のまよいだったのでしょうか。
時計の針は十時をすぎ、十一時をすぎ、十二時にちかづいていました。じつに、長い長い時間でした。ひと月もたったかと思われるほどでした。
小林君は、ときどきいすから立って、部屋の中をあるきまわりました。そして、またもとのいすにもどるのです。
どこかでキーッと、みょうな音がしました。なんだかミイラの棺のふたが、動いたような気がします。ふたのあいだから、はみ出している白いきれが、風もないのに、かすかにゆれているではありませんか。
さすがの小林少年も、だんだん、気味がわるくなってきました。うっかり目をそらしていると、うしろから、怪物がしのびよってくるような気がします。