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Japanische Klassiker mit Furigana

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ロザリオのくさり

ロザリオの鎖

永井 隆

Lesen Sie ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.351 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

神官はやせ細っていった。しかし乏しい配給生活でことに闇などはできぬ身分だからやせるのも当たり前と考えられた。ところが、だれもひもじいひもじいというのに彼だけは一向にひもじさを感じなかった。一ぱいのいもがゆに満腹して別にそれ以上欲しくなかったので、これは久しい耐乏生活に胃袋が訓練された結果だと自ら信じた。だから氏子たちが、どうも近ごろは腹がへってやりきれませんと言うと、そりゃ精神力が足らんからじゃとたしなめた。そして恐ろしい胃病のために自分の食欲がなくなっているとは知らなかった。すなわち命取りの胃がんは腹の中で刻々大きくなりつつあったのである。

さすが長年連れ添うてきた夫人の目は病気と見抜いた。食後の卓上に食い残しの皿が増したこと、食物の好みの変わったこと、これはただごとではない。夫人は心を決めてある朝、鏡を夫の手に渡した。神官はわが顔を見た。やせたことはすでに知っていたが、どきんと驚いたのはご自慢の白ひげがつやを失って、いやな灰色に変わっていたことだった。彼はあわてて腕を見た。皮膚は脂気を失ってかさかさとまるでへびのぬけがらを張りつけたようである──