Japanische Klassiker mit Furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Lesen Sie ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.351 Zeichen · 213 Bildschirme
みんなまた声を合わせて、朗らかに笑った。私も白状せねばならぬ風呂敷包みをぶらさげているのである。それを言い出そうとすると、会計さんが紙包みにひもをかけ終わって店から出てきた。
「あら、風呂敷をお持ちでございますね。ちょうどよい。ちょっとお借しくださいませ。この丸ぼうろを包んで差し上げますから──」
丸ぼうろはすでにこの風呂敷の中に入っているのである。白状する機会は永久に去った。かくなったからには、うその上にうそを重ねて、ぼろを出さぬようにせねばならぬ。
「いや、この風呂敷は小さくて、とてもそんなにたくさんのおみやげを入れることはできません」
「でも、こんな紙包みをぶらさげなすっては、先生の体面にかかわりますわ。さあ包んで差しあげましょう。ちょっとその風呂敷をお借しくださいませ──さあ」
「いや。このごろは先生の体面も何もありません。結構です。そのままいただきます」
「ご遠慮いりませんよ。ちょっとお借しくださいませ。包んで差しあげますから。先生、さあ」
「いや結構です。どうぞ、そのままお渡しください」
私は汗だくである。先生の体面にかかわる一大事である。風呂敷を右手にまわせば、右側の会長さんが、手を出す。