Japanische Klassiker mit Furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Lesen Sie ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) von 永井 隆 (ながいたかし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.351 Zeichen · 213 Bildschirme
一生二度とこんな患者泣かせの失敗をせぬように、骨にこたえるまで、私からその濾過板で打たれるのであった。山下は毎日のように失敗をしでかしては私から打たれた。どんなに教えても、頭からレントゲン科を学ぶ気がないので馬の耳に風だった。しかられればしかられるほどなまけた。自分がなまけるだけでなく他の友にもなまけさすような言動を続けた。私はこれまで多くの医局員や学生や看護婦を指導したけれども、この娘ほど手を焼かせたものはなかった。看護婦長なんかは、部長先生が一看護婦に直接手を下して訓育なさらなくても、などと忠告もしたが、私は山下の根性を必ず直してみようという決心を動かさなかった。
山下はついに脱走した。しばらくは行方がわからなかったが、天草の自宅へ帰っていることを親から知らせてきた。父の手紙には休暇だと本人は言っているが、あまり長すぎるのでおたずねすると書いてあった。
やがて父に連れられて山下はふたたび大学へ帰って来た。父はこの子は末子で、きょうだい中ただ一人気性がちがい、わがまま者で困ります。どうかこのわがままを直してくださいと私に切に頼んだ。
それからの山下は少し人間が変わって、あの高慢がなくなった。