Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

萩乃の胸は、つぶれるばかりでございました」

「イヤ、そうたやすく死ぬ伊賀の暴れン坊ではござらぬ」

頼もしそうに萩乃はほほえんで、

「でも、源さまはよい御朋友をお持ちなされて、おしあわせでございます。あなた様にも、それから、このあたくしにとっても」

「ハテ、よい朋友?」

「は。あの、丹下左膳とやらいう……」

「おお、彼にはこの源三郎、近ごろもって感銘いたした。余の恩人であるのみならず、聞けば今宵、まさに丹波の手に渡らんとした道場を、邪魔だてしてすくってくれたのも、かの左膳――」

「それよりも」

と萩乃は、もじもじあかくなりながら、

「わたくしをここへ連れてくれましたのが、何よりうれしくて……部屋へふみこまれていきなり横ざまに、抱きかかえられたときには、この身はどうなることかと思いましたけれど――」

明け方の色の、かすかに動きそめた室内。源三郎はこの萩乃など、なんとも思っていないくせに、さもさも恋人同士のよう、膝を突き合わせんばかりに話しこんでいる。その言葉に伴奏をいれるかのように、あるかなしの音をたてて背戸口から流れこんでくるのは、岸を洗う三方子川の夜の水。

相手が女でさえあれば、変に思わせぶりなそぶりを見せるのが、この不良青年柳生源三郎の、いつもの手なんだ。