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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

「宗匠、それからどうした。こけ猿の壺には、どういう目印があるというのだ」

とこう滅茶苦茶に書き流して、ポンと筆を投げすてた。

一風宗匠は、すこしも動じません。それどころか、袋のような口で小さなあくびをしたかと思うと、手をふった。めんどうくさそうに、眉をひそめた。

もうやめた、今日はもうあきたから許してくれ、またこんど、気分のよいときに……そう言っているのだ。

いらだち切った対馬守は、声の通じないのも忘れて、宗匠の耳へ噛みつくように、

「イヤ、わしが悪かった。畳へ字など書いて、宗匠をおどろかしたのは、なんともはや申し訳ない」

一生懸命の対馬守は、宗匠の前に両手をついて、つづけさま頭をさげながら、

「サ、こんなにあやまるから、機嫌をなおして先をつづけてくれぬか。ちょっとでよいから、その真のこけ猿の目印というのを……」

一風宗匠は、おもしろい芝居でも見るように、相変わらず赤ん坊のような笑顔で、あくびの連発――もういやだ、今日は気がむかない、わしはもう寝るのじゃから、はやくあっちへ行ってくれ……そういっているようだ。

「ナア、宗匠、後生じゃから、お願いじゃから――」