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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

と、供のなかで、そう大声をあげたのは、額の抜け上がった四十五、六の侍だ。

「白狐ではない。白虎じゃ」

一人が訂正して、

「イヤ、いずくの藩中でも、お壺の守護はおろそかにはいたさぬに相違ないが、それでも、噂によれば、かなりやられておるということだぞ。岡本能登守様、井上大膳亮殿、これらがみんな壺を奪われ、あまつさえ、すくなからぬ人命を失ったとのことじゃ」

「ナアニ、いかに腕が立てばとて、相手は浪人者ひとり、なにほどのことやある」

とまたべつの一人が、こう時代な言葉でいばってみせたときだ。

すぐうしろで、

「箱根を越してしまやア、もうこっちのものよ。箱根からむこう、お江戸とのあいだにゃア、化け物はいねえからの」

という鉄火な声!

ギョッとして振りむいた一同の眼にうつったのは、ちょうど一行が通りかかっている路傍に、大きな杉の老木……その杉の木の幹によりかかって、ニヤニヤ笑ってこっちを見ている、隻眼隻腕の立ち姿。

噂をすれば影!――出たんです、案の定。

それからのち、またたくうちに、その宇津谷峠の山道の草は、たんまり人の血のこやしをあびて、おまけに、丹下左膳のふところ帳「心願百壺あつめ」