Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme
ここは納戸のかげの、ちょっと離れた隠れ座敷です。
軒も暗むまでに、鬱蒼と茂った樹木が、室内いっぱいにうすら冷たい影を沈ませて、昼ながら畳の目も読めないほど。
木の葉の余影で、人の顔も蒼く見える――この頃ここが、ひとりものを考えるときのお蓮様の逃避所になっているのだ。
だが、
いまこの部屋の真ん中にぽつねんとうなだれているお蓮様の横顔が死人のごとく蒼白いのは、木々の照り返しのためだろうか。
「まだ死骸は出ないけれど、とても生きていらっしゃろうとは思えない」
敵であるはずの源三郎……彼に対して恋心をいだいたばっかりに、丹波と二人でしくんだせっかくの芝居はいまだにらちがあかない。
あのにくらしい、慕わしい伊賀の暴れん坊!
「丹波と申しあわせて、何度か殺そうとしたけれど、そのたびに自分は、命乞いをしたくなったっけ――」
最後に、あの穴の中におとしこんで、三方子川の水を引いてせめ殺した……。
お蓮様は、ぞっと身ぶるいをして、
「ああ、ほんとうにかわいそうなことをした」
あの白衣の浪人が暴れこんで、道場の跡目に直ろうとしていたまぎわの、峰丹波にじゃまを入れ、多くの門弟を斬ったのみか、萩乃をつれて消えうせた。