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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

母娘二人が手を貸し合って、やっと座敷の戸をしめ終わると。

眼を真っ赤に泣きはらしたお梶が、行燈を持ってはいって来たが、そのまま立ち去るかと思うと、灯りを部屋のほどよいところに置き……このときだった、お梶がいきなりお蓮様のたもとを握ったのは。

「オヤ、どうしたのだえ、お前は!」

振りむいたお蓮様は、びっくりした。

お梶の顔の色といったらない。あおざめた面色に、眼は血ばしり、頬には、涙の糸とほつれ毛を引き、その毛の先をきゅっと口に噛みしめて、物すごいばかりの形相。

「アラ、気がふれたのかしら、この娘は!」

と、お蓮様はギョッとしながら、必死の力をこめたお梶の手に、べったりくずれるように、そこへすわらせられてしまった。

と、お梶は、あっけにとられてそばに立っていたお美夜ちゃんを、いきなり片手に引き寄せて、痛いほど抱きしめ、

「ムムムムムムムム」

もの言いたげな風情。

口のきけぬをもどかしがるありさまに、これは何事か、思いきって言いたいことがあるのだなと、見てとったお蓮様。

キチンと両手を膝に、すわりなおして、

「なんです」

という眼顔をしてみせる。

それにいきおいを得たように、お梶はフラフラと立ちあがって、壁際へ走り寄った。