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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 196.229 Zeichen · 389 Bildschirme

Aozora Bunko

という肚。

品川宿から江戸入りした左膳は一直線に八百八町を横ぎろうと、今しさしかかったのが、この上野山下の三枚橋です。

ちょうど真夜中のこと。

お山の森のうえに、うすぼんやりとした月がかかって、あたりにただよう墨絵のような夜の明かり。

両側の商家は、ドッシリと大戸をおろし、天水桶に大書した水という字が、しろじろと見えるそばに、犬が丸くなって寝ている。

何か事ありげな晩だった。

「ヤヤッ! この深夜に駕籠が……」

いま、三枚橋に片足かけた左膳の一眼に、ぽつりと映ったのは、正面、上野の山をおりてこっちへやってくる一丁のお駕籠です。

四、五人の高股だちの侍が、前後を警備し、なんとなく世をはばかる風情が見える。

真っ先に立ってくる提灯の紋――!

見おぼえがある。あれは確かに、柳生家の……。

駕籠というと、ただちに壺を連想するのが、このごろの左膳だ。

「茶壺の駕籠ではあるめえか」

そう思った。

小みぞのそばに、柳の垂れ枝。そのかげに身をひそめた左膳が、近づく駕籠を半暗にすかして見ると――蝋色鋲打ちの身分ある女乗物。

と! 闇に氷の光一閃。同時に、駕籠わきの一人が、ウウム! と肩口をおさえてよろめいたとき、